令和6年度 総合犬山中央病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 46 24 34 43 102 270 392 959 1151 356
令和6年4月~令和7年3月までの全退院患者様の年齢階級別の分布を示しています。
(回復期リハビリテーション病棟・地域包括ケア病棟に直接入院された患者さんは除きます)
平均年齢は69.9歳で、60歳以上が全体の8割を占めています。
これからの超高齢化社会をみすえ、当院では急性期病棟だけではなく回復期リハビリテーション病棟・地域包括ケア病棟があるため、
急性期から亜急性期まで幅広い患者さんを受け入れが出来る体制となっております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 163 2.08 2.57 1.23 69.94
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 104 37.08 2.78 24.04 85.88
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 64 20.88 16.40 0.00 84.38
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 31 11.55 8.88 6.45 80.52
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 26 8.77 7.45 0.00 80.58
内科には、消化器内科、呼吸器内科、糖尿病内科、血液内科が含まれます。消化器疾患について
消化器疾患では、内視鏡的治療に特に力を入れており、大腸ポリープや良性腫瘍に対する内視鏡的切除術を多数実施しています。これにより、開腹手術を行わずに治療が可能となり、患者様の身体的負担を軽減しております。また、胆管結石や胆管炎などの胆道系疾患に対しても、適切な治療を提供しています。
特筆すべきは胃の悪性腫瘍に対する内視鏡的治療です。早期の胃がんや前がん病変に対して、内視鏡的胃・十二指腸ポリープ・粘膜切除術を行い、患者様のQOL(生活の質)を維持しながら治療を進めております。

呼吸器疾患について
呼吸器疾患においては、特に高齢者の誤嚥性肺炎や市中肺炎の治療に豊富な経験を持っています。75歳以上の患者様に多い肺炎に対しては、適切な抗菌薬選択と全身管理を行い、早期回復を目指しています。
当院では呼吸器疾患の治療において、ガイドラインに基づいた標準治療はもちろんのこと、患者様の年齢や全身状態、生活背景を考慮した個別化医療を心がけております。また、必要に応じてリハビリテーション部門と連携し、誤嚥予防や呼吸機能の改善にも取り組んでいます。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 13 6.62 5.61 0.00 6.54
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1あり - - 2.10 - -
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 6.38 - -
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし - - 5.63 - -
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし - - 6.98 - -
特に呼吸器系疾患が多くを占めており、1歳から15歳未満のお子様の肺炎が最も多く見られます。これらは適切な診断と治療により、手術を必要とせず改善することが多いです。
また、近年増加傾向にある食物アレルギーについても多くの症例に対応しており、専門的な処置を含めた総合的な管理を行っています。喘息についても定期的な通院患者様が多く、発作予防と急性期の適切な治療を心がけています。
季節性に多く見られる扁桃周囲膿瘍や急性扁桃炎、咽頭喉頭炎などの上気道感染症や、インフルエンザやウイルス性肺炎などの感染症についても、迅速な診断と治療を提供しております。
当院では、これらの疾患に対して、お子様の年齢や症状に合わせた丁寧な診療を心がけ、保護者の方々にも疾患の理解を深めていただけるよう努めております。また、予防接種や生活指導など、疾患予防にも力を入れています。
厚生労働省が定めた集計条件により患者数10未満は -(ハイフン)で表示し、DPCコード・DPC名称・平均在院日数(全国)のみ掲載しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 48 5.31 4.54 2.08 73.27
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 16 14.25 14.81 6.25 71.94
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 6.20 9.08 0.00 68.20
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 14 9.43 7.05 0.00 67.64
060210xx9910xx ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 10 11.45 13.53 9.09 75.55
鼠径ヘルニア(そけいへるにあ)
当院で最も多く治療している疾患は鼠径ヘルニアです。足の付け根部分の筋肉の隙間から腸などが飛び出す病気で、15歳以上の成人に多く見られます。当院では熟練した外科医による標準的なヘルニア手術を行っており、多くの患者様が短期間の入院で日常生活に復帰されています。手術の方法は患者様の状態に合わせて最適な術式を選択し、術後の痛みを最小限に抑える工夫も行っております。

結腸の悪性腫瘍(大腸がん)
結腸の悪性腫瘍(大腸がん)に対しては、病状に応じた適切な範囲の結腸切除術を実施しています。手術では、がんの完全な切除と同時に、患者様の術後のQOL(生活の質)を考慮した治療を心がけています。必要に応じて他科と連携し、術前・術後の包括的な治療計画を立てて対応しております。

腸閉塞
腸閉塞は当院で3位と5位に入る頻度の高い疾患です。腸閉塞の多くは保存的治療(手術を行わない治療)で改善しますが、状況に応じて適切な処置を行っています。長期の絶食や点滴による治療が必要な場合もありますが、患者様の状態を細かく観察しながら、最適な治療方針を決定しています。

胆嚢炎・胆石症
胆嚢炎や胆石症に対しては、低侵襲な腹腔鏡下胆嚢摘出術を積極的に取り入れています。この手術法により、従来の開腹手術と比べて傷が小さく、術後の痛みが少なく、回復も早いというメリットがあります。当院の外科医は腹腔鏡手術に熟練しており、安全で確実な手術を提供しています。

当院の特色
当院外科では、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療を提供するよう心がけています。手術が必要な場合は可能な限り低侵襲な方法を選択し、不必要な手術を避け保存的治療が可能な場合はその方針で治療を進めています。また、消化器内科をはじめとする他科との連携を密にし、総合的な診療体制を整えております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 85 62.55 25.29 10.59 85.82
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 20 2.15 5.95 0.00 77.65
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 18 41.33 19.16 0.00 79.56
160800xx99xxx0 股関節・大腿近位の骨折 手術なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 14 41.64 13.56 35.71 86.86
160760xx02xxxx 前腕の骨折 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿等 12 6.83 3.06 0.00 71.42
股関節・大腿近位の骨折
当院で最も多く取り扱っている疾患は、高齢者に多い股関節・大腿近位の骨折です。これらの骨折に対しては、患者様の状態に合わせて人工骨頭挿入術などの適切な手術治療を提供しています。手術後は早期リハビリテーションを開始し、歩行能力の回復を目指しています。
また、全身状態や合併症により手術が困難な患者様に対しては、保存的治療も行っており、個々の状況に応じた最適な治療方針を選択しています。

前腕の骨折
日常生活での転倒などによる前腕の骨折も多く診療しています。これらの骨折に対しては、骨折観血的手術を行い、適切な整復と固定を行うことで早期の機能回復を図っています。また、以前に手術で挿入したプレートやスクリューなどの内固定材料の抜去術も積極的に行っており、患者様の希望に応じて対応しています。

脊椎骨折
胸椎や腰椎の骨折も当院で多く診療している疾患です。多くの場合、保存的治療(コルセットなどの装具療法、安静、リハビリテーション)で対応していますが、症状や骨折の状態に応じて適切な治療方針を決定しています。脊髄損傷を伴う場合は、神経症状の回復を最優先に考えた治療計画を立てています。

当院の特色
当院整形外科の特色は、高齢者骨折に対する迅速な手術対応と早期リハビリテーションの実施です。特に大腿骨近位部骨折に対しては、早期手術・早期離床を原則とし、合併症の予防と機能回復に努めています。
また、上肢骨折に対しても精密な手術治療を行い、手の機能回復に力を入れています。術後のリハビリテーションも充実しており、理学療法士・作業療法士と連携して患者様の日常生活への早期復帰をサポートしています。
地域の医療機関との連携も重視しており、急性期治療後は患者様の状態に応じて回復期リハビリテーション病院への転院調整も行っています。地域完結型医療の一翼を担うべく、今後も質の高い整形外科医療を提供してまいります。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 41 28.61 16.89 4.88 79.05
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし 32 47.25 16.94 3.13 79.91
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 24 51.96 18.68 16.67 69.33
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 16 19.13 7.99 0.00 86.88
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 12 11.17 9.83 0.00 77.33
脳梗塞
当院で最も多く診療している疾患は脳梗塞です。脳梗塞に対しては、発症からの時間や症状の程度に応じた適切な治療を行っています。特に急性期には血栓溶解療法(t-PA療法)や血管内治療など、先進的な処置を積極的に実施しており、これらは「手術・処置等2」に含まれています。また、早期からのリハビリテーションを導入し、後遺症の軽減と日常生活への早期復帰を目指しています。
脳梗塞の治療においては、個々の患者様の状態に合わせた薬物療法を行うとともに、再発予防のための生活指導や危険因子(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)の管理も重視しています。

非外傷性頭蓋内血腫
非外傷性の頭蓋内血腫(脳出血、くも膜下出血など)に対しては、患者様の意識状態や血腫の大きさ、部位などを総合的に評価し、治療方針を決定しています。JCS(日本昏睡尺度)10未満の比較的軽症例では、保存的治療(薬物療法や安静)を基本としており、症状の安定と改善を図っています。

頭蓋・頭蓋内損傷
交通事故や転倒などによる頭部外傷も当院で多く診療している疾患です。頭蓋骨骨折、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、外傷性硬膜下・硬膜外血腫などが含まれます。症状や画像所見に基づいて、手術が必要な症例と保存的に経過観察する症例を適切に判断しています。
重症例では緊急手術を行い、頭蓋内圧のコントロールと脳機能の保護を図っています。一方、軽症から中等症の症例では、入院での厳重な経過観察と適切な薬物療法を行っています。

当院の特色
当院脳神経外科の特色は、脳血管障害に対する総合的な診療体制です。特に脳梗塞の急性期治療においては、最新のガイドラインに基づいた治療を提供しており、適応症例には積極的に先進的治療を行っています。
また、神経内科や救急科、リハビリテーション科との緊密な連携により、発症から回復期まで一貫した治療を提供できる体制を整えています。特に早期リハビリテーションの導入は、当院が重視している点の一つです。
地域の医療機関とも連携し、急性期治療後は患者様の状態に応じて回復期リハビリテーション病院への転院調整や、かかりつけ医との協力による継続的な管理を行っています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 - - 5.88 - -
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 - - 5.97 - -
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、子宮内膜ポリープ切除術 - - 2.72 - -
120230xx02xxxx 子宮の非炎症性障害 子宮鏡下子宮中隔切除術、子宮内腔癒着切除術(癒着剥離術を含む。)等 - - 2.47 - -
110050xx99x0xx 後腹膜疾患 手術なし 手術・処置等2なし - - 10.69 - -
子宮の良性腫瘍
当院で最も多く治療している疾患は子宮の良性腫瘍、主に子宮筋腫です。これらの疾患に対しては、腹腔鏡下腟式子宮全摘術を積極的に行っています。この手術法は、従来の開腹手術と比較して傷が小さく、術後の痛みが少なく、回復も早いというメリットがあります。患者様の状態や希望に応じて、子宮を温存する術式も選択可能です。

卵巣の良性腫瘍
卵巣の良性腫瘍(卵巣嚢腫など)に対しては、腹腔鏡による卵巣部分切除術を主に行っています。若年層の患者様も多いため、妊孕性(妊娠する能力)の温存を重視した治療を心がけています。腹腔鏡手術の導入により、入院期間の短縮と早期社会復帰が可能となっています。

女性性器のポリープ
子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫などに対しては、子宮鏡を用いた低侵襲手術を実施しています。子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術や子宮内膜ポリープ切除術は、腹部に傷をつけることなく治療が可能で、日帰りや短期入院での治療が可能です。不正出血や不妊の原因となるこれらの疾患に対して、確実な診断と治療を提供しています。

当院の特色
当院産婦人科の最大の特色は、婦人科良性疾患に対する低侵襲手術の充実です。腹腔鏡手術や子宮鏡手術を積極的に取り入れ、患者様のQOL(生活の質)向上を目指しています。
当院では、最新の医療機器と熟練した医療スタッフにより、安全で確実な医療を提供しています。また、女性特有の悩みに対して丁寧な説明と相談を心がけ、患者様一人ひとりに寄り添った診療を行っています。
厚生労働省が定めた集計条件により患者数10未満は -(ハイフン)で表示し、DPCコード・DPC名称・平均在院日数(全国)のみ掲載しています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 75 1.55 2.49 0.00 77.21
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 58 1.45 4.29 5.17 74.26
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし - - 5.47 - -
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり片眼 - - 4.83 - -
100140xx99x00x 甲状腺機能亢進症 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 10.11 - -
白内障手術
当院で最も多く実施している手術は白内障手術(水晶体再建術)です。片眼の手術が最も多く、次いで両眼の手術も積極的に行っています。白内障は加齢とともに発症率が高まる疾患であり、当院では最新の手術機器と技術を用いて、安全で確実な手術を提供しております。
白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、高機能な眼内レンズを挿入することで視力の回復を図ります。患者様の生活スタイルや希望に応じて、単焦点レンズから多焦点レンズまで様々な種類の眼内レンズを取り扱っており、個々の患者様に最適な視機能の回復を目指しています。

黄斑・後極変性への対応
加齢黄斑変性や黄斑円孔、黄斑前膜などの黄斑部疾患に対しても専門的な治療を行っています。特に加齢黄斑変性に対しては、抗VEGF薬の硝子体内注射療法を積極的に実施し、視力低下の進行を抑制する治療を提供しています。また、黄斑円孔や黄斑前膜に対しては、硝子体手術による治療も行っております。

硝子体疾患への取り組み
網膜剥離や糖尿病網膜症などの硝子体疾患に対しても、専門的な診断と治療を提供しています。特に硝子体出血や増殖性網膜症に対しては、硝子体手術を実施し、視力の保持・回復を図っています。当院では片眼の硝子体手術を多く行っており、患者様の状態に合わせた最適な治療計画を立案しています。

当院の特色
当院眼科の特色は、白内障手術の豊富な実績と高い技術力です。日帰り手術から入院手術まで対応し、患者様の状態や希望に応じた柔軟な診療体制を整えています。
手術前後の丁寧な説明と経過観察を心がけ、患者様が安心して治療を受けられる環境づくりに努めています。また、地域の診療所との連携も重視し、術後の長期フォローアップを含めた継続的な眼科医療を提供しています。
厚生労働省が定めた集計条件により患者数10未満は -(ハイフン)で表示し、DPCコード・DPC名称・平均在院日数(全国)のみ掲載しています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり - - 2.02 - -
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし - - 5.63 - -
030250xx990xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1なし - - 2.92 - -
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし - - 4.67 - -
030428xxxxx0xx 突発性難聴 手術・処置等2なし - - 8.21 - -
睡眠時無呼吸症候群への取り組み
当院で最も多く診療している疾患は睡眠時無呼吸症候群です。この疾患は単なる「いびき」の問題ではなく、睡眠中に呼吸が一時的に止まることで様々な健康リスクを高める重要な疾患です。当院では専門的な睡眠検査(PSG検査)を実施し、正確な診断を行っています。
診断後は、患者様の症状や重症度に応じて、CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)などの適切な治療を提供しています。CPAP療法を導入する患者様(手術・処置等1あり)が多いのが当院の特徴です。また、治療導入後も定期的な通院により、治療効果の確認と装置の調整を行い、長期的な治療成功を目指しています。
軽症から中等症の症例に対しては、生活指導や口腔内装置の使用(手術・処置等1なし)など、患者様の生活スタイルに合わせた治療選択も行っています。

当院の特色
当院耳鼻咽喉科の最大の特色は、睡眠時無呼吸症候群に対する総合的な診療体制です。検査から診断、治療、フォローアップまで一貫した管理を行い、患者様の睡眠の質と全身の健康改善を目指しています。

厚生労働省が定めた集計条件により患者数10未満は -(ハイフン)で表示し、DPCコード・DPC名称・平均在院日数(全国)のみ掲載しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 124 2.03 2.45 0.00 74.94
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 手術あり 74 6.41 7.74 0.00 73.45
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 71 4.41 5.16 4.23 62.61
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 51 6.96 7.77 3.92 75.49
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 35 16.03 13.66 0.00 75.06
当院泌尿器科では、尿路・生殖器の様々な疾患に対して、最新の知見と技術を取り入れた診療を行っております。患者様の負担を最小限に抑えた低侵襲治療を心がけ、一人ひとりの状態に合わせた最適な治療を提供しています。

前立腺の悪性腫瘍(前立腺がん)
当院で最も多く診療している疾患は前立腺がんです。前立腺がんに対しては、患者様の年齢や全身状態、がんの進行度などを総合的に評価し、最適な治療方針を決定しています。多くの患者様に対して、手術以外の治療(内分泌療法や放射線療法など)を行っており、これらは「手術なし、手術・処置等1あり」に分類されています。
特に内分泌療法(ホルモン療法)は当院で積極的に行っている治療法であり、定期的な注射や内服薬による治療を行っています。

生殖器脱出症
女性の骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤など)に対する手術治療も当院の特色の一つです。これらの疾患に対しては、患者様の症状や希望に応じて、経腟的メッシュ手術や従来の骨盤底再建術などを行っています。術後の排尿機能や性機能にも配慮した治療計画を立て、患者様のQOL(生活の質)向上を目指しています。

上部尿路疾患(尿路結石)
腎臓や尿管の結石に対しては、経尿道的尿路結石除去術を積極的に行っています。当院では最新の内視鏡機器を用いて、体への負担が少ない方法で結石を除去しています。特に、レーザーを用いた結石破砕術は、効率的かつ安全に結石を処理することが可能です。患者様の早期回復と社会復帰を支援するため、低侵襲治療を心がけています。

前立腺肥大症
前立腺肥大症に伴う排尿障害に対しては、薬物療法で効果不十分な場合に経尿道的前立腺手術を行っています。当院では、従来のTUR-P(経尿道的前立腺切除術)に加え、より低侵襲な手術方法も取り入れ、患者様の状態に応じた最適な術式を選択しています。これにより、術後の尿流改善と合併症の低減を図っています。

尿路感染症
腎盂腎炎や複雑性尿路感染症など、入院治療が必要な尿路感染症にも対応しています。適切な抗菌薬治療と全身管理を行い、重症化を防ぎます。また、感染の原因となる基礎疾患の評価と治療も同時に行い、再発予防にも努めています。

当院の特色
当院泌尿器科の特色は、幅広い泌尿器科疾患に対応できる診療体制と、低侵襲治療への取り組みです。特に内視鏡を用いた手術(経尿道的手術)に力を入れており、患者様の早期回復と入院期間の短縮を実現しています。
また、前立腺がんの診断から治療まで一貫した管理を行い、最新のガイドラインに基づいた標準治療を提供しています。高齢者や合併症を持つ患者様に対しても、安全性を重視した治療選択を心がけています。
今後も泌尿器科領域の進歩に対応し、より効果的で患者様に優しい医療の提供を目指してまいります。地域の医療機関とも連携し、患者様が安心して治療を受けられる環境づくりに努めてまいります。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 40 15.83 17.33 2.50 87.53
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 34 17.41 16.40 2.94 85.85
050070xx03x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 27 2.22 4.47 0.00 72.96
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 18 24.39 20.78 11.11 81.67
050130xx9902xx 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 14 18.43 23.96 0.00 84.07
当院の呼吸器内科では、心臓疾患と呼吸器疾患を中心に、幅広い内科的疾患に対応しております。特に高齢者の心不全や肺炎に対する診療実績が豊富で、また不整脈に対する専門的治療も行っています。

心不全
当院で最も多く診療している疾患は心不全です。高齢化社会を反映し、様々な原因による心不全患者様を多く受け入れています。心不全に対しては、薬物療法を中心とした内科的治療を行い、症状の改善と再発予防に努めています。また、心不全の原因疾患(虚血性心疾患、弁膜症、心筋症など)の評価と治療も同時に行っています。
心不全患者様の中には、腎機能障害を合併している場合もあり、そのような症例に対しては持続的血液濾過透析などの特殊治療(手術・処置等22あり)を行うこともあります。患者様の全身状態を考慮した総合的な治療計画を立案し、QOL(生活の質)の改善を目指しています。

肺炎
高齢者の市中肺炎および誤嚥性肺炎も当院で多く診療している疾患です。特に75歳以上の高齢者肺炎に対しては、適切な抗菌薬治療と全身管理を行い、合併症の予防に努めています。
誤嚥性肺炎に対しては、急性期の治療だけでなく、嚥下機能評価と嚥下リハビリテーションも重視しており、リハビリテーション部門や言語聴覚士と連携した包括的な治療を提供しています。また、再発予防のための生活指導や口腔ケアの指導も行っています。

頻脈性不整脈
頻脈性不整脈(心房細動、発作性上室性頻拍、心房粗動など)に対しては、薬物療法に加えて、カテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)による根治的治療も積極的に行っています。特に薬物治療で効果不十分な症例や、薬物の副作用で治療継続が困難な症例に対して、この治療法を提供しています。
当院のカテーテルアブレーションは最新の三次元マッピングシステムを用いて行われ、安全性と有効性の向上に努めています。特に心房細動に対するアブレーションは、患者様のQOL改善に大きく寄与しています。

当院の特色
当院循環器内科の特色は、高齢者医療に精通していることと、不整脈に対する専門的治療を提供できることです。高齢化が進む地域社会のニーズに応えるべく、心不全や肺炎などの common disease に対する標準的治療を確実に提供するとともに、不整脈などの専門性の高い疾患に対しても先進的な治療を行っています。
また、当院では急性期治療だけでなく、退院後の生活を見据えた包括的な治療計画を立案し、患者様とご家族への丁寧な説明と指導を心がけています。地域の診療所や介護施設とも連携し、継続的な医療・ケアの提供に努めています。
救急医学科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし - - 16.94 - -
010160xx99x01x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病あり - - 31.47 - -
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし - - 4.67 - -
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし - - 5.55 - -
160820xx99xxxx 膝関節周辺の骨折・脱臼 手術なし - - 18.22 - -
厚生労働省が定めた集計条件により患者数10未満は -(ハイフン)で表示し、DPCコード・DPC名称・平均在院日数(全国)のみ掲載しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 3 1 2 10 32 3 1 8
大腸癌 7 11 23 12 18 5 1 8
乳癌 4 6 2 1 2 1 1 8
肺癌 0 3 7 2 1 3 1 8
肝癌 0 0 0 0 0 0 1
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
大腸がん
当院で最も診療実績が豊富ながんは大腸がんです。StageⅠからⅣまで幅広い病期の患者様に対応しており、特にStageⅢの患者様が多いことが特徴です。これは、リンパ節転移を伴う進行がんに対する専門的な治療を求めて、地域の医療機関から多くの患者様がご紹介されていることを示しています。
当院では大腸がんに対して、外科的切除を基本としながら、病期に応じた適切な術前・術後補助療法を組み合わせた集学的治療を提供しています。また、再発症例(5例)に対しても、最新のガイドラインに基づいた治療を行っています。

胃がん
胃がんについては、早期から進行例まで幅広く対応していますが、特にStageⅣの進行症例(10例)が多いのが特徴です。また、「不明」の症例が多い(32例)のは、内視鏡的診断・治療のみで完結した早期胃がん症例や、高齢などの理由で詳細な病期診断を行わなかった症例が含まれています。
早期胃がんに対しては内視鏡的治療を積極的に取り入れ、進行例に対しては手術と化学療法を組み合わせた治療を行っています。再発症例(3例)に対しても、適切な化学療法や緩和ケアを提供しています。

当院のがん診療の特色
がん患者様の全人的ケアを重視しており、緩和ケアチームや栄養サポートチーム、リハビリテーションスタッフなどとも連携し、患者様の身体的・精神的負担の軽減に努めています。
当院では、がん診療の質の向上を目指し、最新の医学知識と技術の習得に努めるとともに、患者様とそのご家族に寄り添った医療を提供することを心がけています。がんと診断されたときから切れ目のない支援を行い、患者様が安心して治療に専念できる環境づくりに取り組んでいます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 14 10.64 51.36
中等症 69 13.96 79.14
重症 17 25.76 84.24
超重症 3 22.00 88.67
不明 0 0.00 0.00
市中肺炎の重症度別診療実績
当院では、市中肺炎の重症度を国際的な基準に基づいて評価し、それぞれの重症度に応じた適切な治療を提供しています。重症度は以下の5項目の該当数によって分類しています。
男性70歳以上、女性75歳以上
BUN 21mg/dL以上または脱水あり
SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
意識障害あり
血圧(収縮期) 90mmHg以下
これらの項目に該当する数によって、軽症(0項目)、中等症(1~2項目)、重症(3項目)、超重症(4~5項目)と分類しています。

中等症患者が最多
当院の市中肺炎患者の特徴として、中等症の患者様が最も多く、全体の約67%(69名)を占めています。これは、地域の診療所からの紹介や救急搬送による入院が多いことを反映しています。中等症の患者様は平均年齢79.14歳と高齢であり、平均在院日数は約14日となっています。

重症度と年齢・在院日数の関係
重症度別のデータを見ると、重症度が上がるにつれて平均年齢も上昇する傾向が明確に見られます。軽症患者の平均年齢は51.36歳ですが、重症患者では84.24歳、超重症患者では88.67歳と高齢化しています。これは高齢になるほど肺炎が重症化しやすいという医学的知見と一致しています。
また、在院日数についても、軽症患者の平均10.64日に対し、重症患者では25.76日と約2.5倍の期間を要しています。超重症患者の在院日数が重症患者よりやや短い(22.00日)のは、より迅速かつ集中的な治療介入が行われていることや、症例数が少ない(3例)ことによる統計的な影響と考えられます。

当院の市中肺炎診療の特色
重症度に応じた適切な治療
当院では、入院時に重症度を正確に評価し、それぞれの患者様に最適な治療計画を立案しています。軽症例には適切な抗菌薬治療と早期離床を促し、重症例には呼吸管理や全身管理を含めた集中的な治療を提供しています。
特に高齢者の肺炎に対しては、基礎疾患や全身状態を考慮した慎重な治療を心がけており、誤嚥予防や栄養管理にも力を入れています。

多職種連携による包括的アプローチ
当院では、医師・看護師だけでなく、理学療法士、言語聴覚士、栄養士などの多職種が連携し、肺炎患者様の早期回復をサポートしています。特に高齢者の肺炎では、早期からのリハビリテーション介入や嚥下機能評価・訓練が重要であり、これらを積極的に取り入れています。

予防と再発防止への取り組み
肺炎、特に高齢者の誤嚥性肺炎は再発しやすい疾患です。当院では治療だけでなく、退院後の肺炎予防にも力を入れており、患者様やご家族への指導、かかりつけ医との連携による継続的な管理を行っています。また、肺炎球菌ワクチン接種の推奨など、一次予防にも取り組んでいます。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 93 44.65 79.40 7.50
その他 27 59.11 79.19 1.67
当院では、脳血管障害、特に脳梗塞に対する急性期医療に力を入れており、迅速な診断と治療を提供しています。ここでは当院の脳梗塞診療の実績についてご紹介いたします。

脳梗塞診療の実績
急性期脳梗塞への対応
当院の脳梗塞患者様の約78%(93名)が発症から3日以内の急性期に入院されており、これは当院が地域の脳卒中急性期医療の中核を担っていることを示しています。急性期脳梗塞患者様の平均年齢は79.40歳と高齢者が多く、これは全国的な脳梗塞の発症傾向と一致しています。
急性期脳梗塞の患者様の平均在院日数は44.65日となっており、これは急性期治療後に十分なリハビリテーションを院内で提供していることを反映しています。また、転院率は7.50%(9名)であり、症状の安定後、より専門的なリハビリテーションが必要な患者様を回復期リハビリテーション病院へ紹介しています。

亜急性期・慢性期脳梗塞への対応
発症から3日以上経過した脳梗塞患者様(27名)については、平均在院日数が59.11日とやや長期になっています。これらの患者様は他院からの転院や、症状の進行が緩やかであったため受診が遅れたケースなどが含まれています。亜急性期・慢性期の患者様も平均年齢は78.19歳と高齢者が多く、合併症管理や二次予防、リハビリテーションを中心とした診療を行っています。
この群の転院率は1.67%(2名)と低く、多くの患者様が当院での治療を完結していることを示しています。

当院の脳梗塞診療の特色
24時間体制の脳卒中診療
当院では、24時間365日、脳卒中の救急患者様を受け入れる体制を整えています。発症から可能な限り早期に適切な診断と治療を開始できるよう努めています。
特に超急性期(発症から4.5時間以内)の脳梗塞に対しては、t-PA(組織プラスミノーゲンアクチベーター)による血栓溶解療法や、適応症例には血管内治療も積極的に実施しています。

包括的脳卒中ケアの実践
当院では、急性期治療だけでなく、早期からのリハビリテーション介入を重視しています。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が協働し、患者様の状態に応じたリハビリテーションプログラムを提供しています。これにより、機能回復の促進と合併症予防を図っています。
また、脳梗塞の原因となる基礎疾患(高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動など)の管理も重視しており、再発予防のための適切な薬物療法と生活指導を行っています。

高齢脳卒中患者への対応
当院の脳梗塞患者様は平均年齢が約79歳と高齢者が多いため、脳梗塞の治療だけでなく、高齢者特有の問題(嚥下障害、認知機能障害、転倒リスクなど)にも配慮した総合的なケアを提供しています。また、退院後の生活を見据えた支援も重視しており、ソーシャルワーカーと連携して適切な療養環境の調整を行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 183 0.17 1.14 0.55 70.36
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 28 0.29 7.32 0.00 79.89
K654 内視鏡的消化管止血術 27 3.07 18.37 11.11 79.00
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 24 2.00 17.00 4.17 82.67
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm以上 17 0.59 1.24 5.88 69.00
当院では、消化器疾患に対する内視鏡治療を積極的に実施しており、患者様の身体的負担を最小限に抑えた低侵襲治療を提供しています。
特に内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)は当院で最も多く実施されている治療です。この治療は、大腸ポリープを早期に切除することで大腸がんの予防や早期発見に寄与しています。多くの患者様が日帰りまたは1泊2日の短期入院で治療を受けられ、早期に日常生活に復帰されています。長径2cm以上の大きなポリープに対しても同様の治療を行っており、こちらも短期間での退院が可能です。
また、胃や十二指腸の早期がんやポリープに対しては、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を実施しています。この高度な技術を要する治療により、開腹手術を行うことなく早期がんを完全に切除することが可能となっています。術後は約1週間の入院期間を通じて慎重に経過観察を行い、安全な治療を提供しています。
消化管出血に対しては内視鏡的消化管止血術を行っています。特に高齢の患者様が多く、緊急性の高い治療となるため、術前の全身状態の評価と安定化に時間をかけています。出血の重症度によっては入院期間が長くなることもありますが、患者様の状態に合わせた丁寧な治療を心がけています。
胆道系疾患に対しては内視鏡的胆道ステント留置術を実施しています。胆管狭窄や閉塞による黄疸や胆管炎に対して、内視鏡を用いてステントを留置し、胆汁の流れを確保する治療です。高齢者が多く、全身状態に配慮した治療を行っています。
当院の内視鏡治療の特色は、患者様の年齢や状態に応じた個別化医療を提供している点です。特に高齢者に対しては、安全性を最優先に考慮した治療計画を立案しています。また、短期入院で完結する低侵襲治療から、全身状態に配慮した長期的な治療まで、幅広いニーズに対応しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 45 1.20 2.96 2.22 72.04
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 18 3.22 6.22 0.00 68.28
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 15 2.13 10.47 6.67 72.20
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 12 1.75 4.08 0.00 46.17
K7162 小腸切除術 その他のもの 10 4.10 45.60 10.00 84.40
当院では、低侵襲手術を中心に幅広い外科的疾患に対応しており、患者様の早期回復と社会復帰を目指した診療を行っています。
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)は当院で最も多く実施されている手術です。この手術では、従来の開腹手術と比較して傷が小さく、術後の痛みが軽減され、早期の日常生活復帰が可能となります。当院では主に高齢者に対して実施しており、患者様の状態に合わせた麻酔方法と術式を選択し、安全で確実な治療を提供しています。術後の入院期間は短く、多くの患者様が数日以内に退院されています。
胆石症や胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術も多く実施しています。術前に十分な検査と評価を行い、安全な手術を心がけています。クリニカルパスを活用した計画的な治療により、術後の回復も順調で、多くの患者様が約1週間で退院されています。
腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術は、大腸がんに対する低侵襲手術として積極的に行っています。術前の精密検査から術後の化学療法まで、一貫した治療を提供しています。患者様の早期回復と社会復帰を目指し、術後の経過観察も丁寧に行っています。
急性虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術も当院の特色ある治療の一つです。この手術は比較的若い世代に多く、短期間の入院で治療が完了するため、社会復帰が早いという利点があります。炎症の程度に応じて適切な術式を選択し、合併症の予防に努めています。
小腸疾患に対する小腸切除術も実施しています。この手術は高齢者に多く、術前の全身状態の評価と改善に時間をかけ、術後も慎重な管理を行っています。腸閉塞や腸穿孔などの緊急性の高い症例にも対応し、患者様の命を守る救急医療にも貢献しています。
当院外科の特色は、腹腔鏡手術を中心とした低侵襲手術の積極的な導入です。これにより患者様の術後の痛みを軽減し、早期離床と早期退院を実現しています。また、高齢者から若年層まで幅広い年齢層の患者様に対応し、それぞれの状態に合わせた最適な治療を提供しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 84 4.52 83.76 15.48 82.60
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 33 6.76 63.12 3.03 82.12
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 19 0.00 1.00 0.00 66.63
K0732 関節内骨折観血的手術 胸鎖、手、足 18 0.00 1.11 0.00 74.44
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 13 1.23 16.15 0.00 73.92
当院の整形外科では、主に高齢者の骨折治療に力を入れており、特に大腿骨近位部骨折に対する手術を多く行っています。これらの患者様は平均年齢が80歳を超える高齢者が多く、術前には全身状態の評価と改善を慎重に行い、安全な手術を提供しています。
肩甲骨、上腕、大腿に対する骨折観血的手術は当院で最も多く実施している手術です。術後は十分な入院期間を確保し、リハビリテーションを重視した治療を行っています。また、人工骨頭挿入術も多く実施しており、特に高齢者の大腿骨頚部骨折に対して積極的に行っています。これらの手術を受けられる患者様は高齢であることが多いため、術後のリハビリテーションには特に力を入れ、歩行能力の回復を目指しています。
一方、比較的若い世代の患者様に対しては、骨内異物除去術や関節内骨折観血的手術なども行っています。これらの手術は短期入院で行われることが多く、多くの患者様が術後早期に退院されています。
当院の特色として、患者様の状態に応じた適切な治療計画の立案が挙げられます。高齢者の大腿骨骨折では、十分な入院期間を設け、機能回復を重視した治療を行う一方、若年層の骨折では早期社会復帰を目指した治療を提供しています。
また、地域の医療機関との連携も重視しており、さらなるリハビリテーションが必要な患者様には、地域連携パスを活用して回復期病院への転院調整を行っています。特に高齢者の大腿骨骨折では、継続的なリハビリテーションが重要であり、急性期治療から回復期治療までシームレスな医療の提供を目指しています。
当院では、整形外科診療のさらなる充実を目指し、最新の治療技術の導入やリハビリテーション体制の強化に取り組んでいます。特に高齢化が進む地域社会のニーズに応えるため、骨粗鬆症の予防や治療にも力を入れ、骨折予防から治療、リハビリテーションまでの一貫した医療の提供に努めています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 16 0.56 14.13 0.00 80.50
K1742 水頭症手術 シャント手術 - - - - -
K1781 脳血管内手術 1箇所 - - - - -
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - - - - -
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -
当院の脳神経外科では、脳血管障害や脳外傷、水頭症など様々な脳神経疾患に対する手術治療を行っています。地域の中核病院として、急性期から回復期までの一貫した治療を提供し、患者様の機能回復と生活の質向上に努めています。
慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は当院で最も多く実施している脳神経外科手術です。この疾患は主に高齢者に発症し、脳の萎縮に伴い硬膜と脳の間に血液が貯留する病態です。当院では診断後、速やかに手術を実施しており、術前日数は非常に短くなっています。手術は局所麻酔下で行われることが多く、患者様への負担が少ない治療法です。術後は脳の再膨張や神経症状の改善を見守りながら、リハビリテーションを進め、多くの患者様が自宅に退院されています。
水頭症に対するシャント手術も当院の特色ある治療の一つです。水頭症は脳脊髄液の循環障害により脳室が拡大する疾患で、シャント手術によって脳脊髄液の流れを確保します。この手術を受ける患者様は、術前に詳細な検査と評価を行うため、術前日数がやや長くなっています。術後は慎重な管理とリハビリテーションを行い、シャント機能の安定を確認した上で退院されています。
脳血管内治療も当院の重要な診療分野です。脳動脈瘤や脳動静脈奇形などに対する脳血管内手術、急性期脳梗塞に対する経皮的脳血栓回収術、頸動脈狭窄症に対する経皮的頸動脈ステント留置術など、カテーテルを用いた低侵襲治療を積極的に行っています。
特に経皮的脳血栓回収術は、急性期脳梗塞に対する画期的な治療法で、発症から早期に血栓を回収することで脳機能の回復が期待できます。この治療後は、脳梗塞の重症度に応じて入院期間が長くなることがありますが、専門的なリハビリテーションを通じて機能回復を目指しています。症例によっては回復期リハビリテーション病院と連携し、継続的な治療を提供しています。
頸動脈狭窄症に対する経皮的頸動脈ステント留置術は、脳梗塞の予防を目的とした治療です。術前に十分な評価と準備を行い、安全に手術を実施しています。術後の経過は比較的良好で、短期間での退院が可能となっています。
当院脳神経外科の特色は、高齢者に多い疾患に対する豊富な治療経験と、最新の脳血管内治療技術の両方を有していることです。患者様の年齢や全身状態、疾患の特性に応じて、最適な治療法を選択し、安全で確実な医療を提供しています。
また、急性期治療だけでなく、早期からのリハビリテーション介入にも力を入れており、患者様の機能回復と社会復帰を総合的に支援しています。脳神経外科医、神経内科医、リハビリテーション専門スタッフが連携し、チーム医療を実践しています。
厚生労働省が定めた集計条件により患者数10未満は -(ハイフン)で表示し、DPCコード・DPC名称のみ掲載しています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 - - - - -
K863-3 子宮鏡下子宮内膜焼灼術 - - - - -
K861 子宮内膜掻爬術 - - - - -
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの - - - - -
K639-3 腹腔鏡下汎発性腹膜炎手術 - - - - -
当院の産婦人科では、女性特有の疾患に対して低侵襲手術を中心とした治療を提供しています。患者様の身体的・精神的負担を最小限に抑えながら、高い治療効果を得られるよう努めています。
腹腔鏡下腟式子宮全摘術は当院で最も多く実施している婦人科手術です。主に子宮筋腫や子宮腺筋症など、良性疾患に対して行われています。この手術法は、従来の開腹手術と比較して腹部の傷が小さく、術後の痛みが軽減され、回復も早いというメリットがあります。当院では50代前後の患者様が中心で、術前の検査と準備を丁寧に行い、安全な手術を心がけています。術後は約4日間の入院で、多くの患者様がスムーズに回復され、早期に日常生活に復帰されています。
また、子宮鏡下子宮内膜焼灼術も当院の特色ある治療の一つです。この手術は主に過多月経に対して行われ、子宮内膜を焼灼することで月経量の減少や月経痛の軽減を図ります。60代前後の患者様が多く、閉経前後の過多月経に悩む方に対して効果的な治療法となっています。この手術は短期入院で行われ、多くの患者様が術後1〜2日で退院されています。体への負担が少ないため、高齢の患者様や合併症をお持ちの方にも安心して受けていただける治療法です。
当院婦人科の特色は、低侵襲手術を積極的に取り入れていることです。腹腔鏡手術や子宮鏡手術といった内視鏡技術を活用することで、患者様の身体的負担を軽減し、早期の社会復帰を支援しています。また、手術前のインフォームドコンセントを丁寧に行い、患者様が安心して手術に臨めるよう配慮しています。
婦人科疾患は女性のライフステージによって様々な影響を与えるため、当院では患者様の年齢や生活背景、将来の妊娠希望などを考慮した個別化医療を提供しています。特に子宮や卵巣を温存すべき若年層の患者様には、可能な限り臓器温存を考慮した治療選択を心がけています。
今後も最新の医療技術や知見を取り入れながら、女性の健康と生活の質向上に貢献できるよう努めてまいります。
厚生労働省が定めた集計条件により患者数10未満は -(ハイフン)で表示し、DPCコード・DPC名称のみ掲載しています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 161 0.00 0.50 1.86 75.87
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの - - - - -
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
院眼科では、白内障手術(水晶体再建術)を中心に、地域の皆様の視力回復と眼の健康維持に貢献しています。
水晶体再建術は当院で最も多く実施している眼科手術です。この手術は、加齢などにより濁った水晶体(水晶体白濁、いわゆる白内障)を取り除き、人工の眼内レンズを挿入することで視力を回復させる治療法です。当院では主に70代から80代の患者様が多く、加齢に伴う視力低下でお悩みの方々に対して質の高い医療を提供しています。
当院の白内障手術の特徴は、日帰り手術または短期入院で行われることです。患者様の負担を最小限に抑えるため、多くの場合、入院当日に手術を行い、翌日には退院していただいています。最新の手術機器と技術を用いることで、安全かつ確実な手術を心がけており、合併症の発生率も低く抑えられています。
また、患者様のライフスタイルや希望に応じて、様々な種類の眼内レンズを取り扱っています。単焦点レンズから多焦点レンズまで、それぞれの特性や利点・欠点を丁寧に説明した上で、患者様に最適なレンズを選択していただいています。特に活動的な生活を送られている方には、近方から遠方まで見える多焦点レンズの選択肢も提供しています。
手術前には詳細な検査と丁寧な説明を行い、患者様の不安を軽減するよう努めています。また、術後のフォローアップも重視しており、定期的な通院を通じて視力の安定と眼の健康状態を確認しています。
当院眼科の目標は、単に視力を回復させるだけでなく、患者様の生活の質(QOL)の向上に貢献することです。白内障手術により、読書や運転、趣味活動など、日常生活の様々な場面での視機能を改善し、患者様の活動範囲を広げることを目指しています。
厚生労働省が定めた集計条件により患者数10未満は -(ハイフン)で表示し、DPCコード・DPC名称のみ掲載しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 78 0.92 2.38 3.85 61.72
K865-2 腹腔鏡下仙骨腟固定術 66 1.00 4.97 0.00 73.47
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 48 1.04 3.06 2.08 76.29
K843-2 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術 32 1.00 9.13 0.00 75.69
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除術・蒸散術 ホルミウムレーザー又は倍周波数レーザーを用いるもの 30 1.07 4.23 3.33 74.87
当院の泌尿器科では、最新の医療技術と機器を活用し、尿路結石、前立腺疾患、膀胱腫瘍、女性骨盤臓器脱などの幅広い泌尿器科疾患に対する低侵襲手術を積極的に行っています。
経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの)は当院で最も多く実施している手術です。この手術は、尿管や腎臓内の結石に対してレーザーを用いて砕石する治療法で、体への負担が少なく、早期の回復が期待できます。主に働き盛りの世代に多い疾患ですが、当院では幅広い年齢層の患者様に対応しています。入院期間は短く、多くの患者様が術後数日で退院され、日常生活に復帰されています。
腹腔鏡下仙骨腟固定術は、女性の骨盤臓器脱(子宮脱や膀胱瘤など)に対する手術です。当院では、この手術を多数実施しており、特に高齢女性の生活の質(QOL)向上に貢献しています。腹腔鏡を用いることで、開腹手術と比較して傷が小さく、術後の痛みが少なく、回復も早いという利点があります。術後は約5日間の入院で、多くの患者様が良好な経過で退院されています。
膀胱悪性腫瘍に対する経尿道的手術も当院の特色ある治療の一つです。電解質溶液を用いることで、より安全で効果的な腫瘍切除が可能となっています。主に高齢者に多い疾患ですが、低侵襲な手術法により、全身状態に配慮した治療を提供しています。術後の経過観察も定期的に行い、再発の早期発見と適切な対応に努めています。
前立腺がんに対しては、腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術を行っています。この手術は、精密な操作が可能な腹腔鏡技術を用いることで、がんの完全切除と術後の尿禁制や性機能の温存を両立することを目指しています。術後は約9日間の入院期間を通じて、尿道カテーテル管理や排尿訓練を行い、退院後の生活に備えていただいています。
前立腺肥大症に対しては、経尿道的レーザー前立腺切除術・蒸散術を実施しています。特にホルミウムレーザーを用いた手術は、従来のTUR-P(経尿道的前立腺切除術)と比較して出血が少なく、より安全な治療が可能です。高齢者が多い疾患ですが、合併症のリスクを最小限に抑えた手術を提供しています。
当院泌尿器科の特色は、幅広い疾患に対する低侵襲手術の充実と、患者様の年齢や全身状態に配慮した個別化医療の実践です。特に内視鏡技術やレーザー技術を駆使した治療に力を入れており、患者様の身体的負担を最小限に抑えながら、高い治療効果を得られるよう努めています。
また、診断から治療、術後のフォローアップまで一貫した診療体制を整え、患者様が安心して治療に臨めるよう配慮しています。特に高齢者の患者様が多い疾患では、術前の全身状態の評価と術後の早期リハビリテーションを重視し、合併症予防と早期回復を目指しています。
今後も最新の医療技術の導入と医療スタッフの技術向上に努め、より安全で効果的な泌尿器科医療を提供してまいります。地域の皆様の泌尿器疾患診療の中核として、患者様一人ひとりに寄り添った医療を実践してまいります。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 41 1.63 3.76 0.00 75.44
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの - - - - -
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 - - - - -
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの - - - - -
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの - - - - -
当院の循環器内科では、不整脈や虚血性心疾患など様々な循環器疾患に対する専門的な治療を提供しています。特にカテーテルを用いた低侵襲治療に力を入れており、患者様の身体的負担を軽減しながら高い治療効果を得られるよう努めています。
経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺または心外膜アプローチを伴うもの)は当院で最も多く実施している循環器治療です。この治療は主に心房細動などの不整脈に対して行われ、カテーテルを用いて不整脈の原因となる心筋組織を焼灼することで症状の改善を図ります。当院では特に高齢者の患者様が多く、平均年齢は70代半ばとなっています。術前には詳細な検査と評価を行い、安全な治療を心がけています。治療後は短期間の入院で経過観察を行い、多くの患者様が約4日間で退院されています。この治療により、薬物治療では十分にコントロールできなかった不整脈症状が改善し、患者様の生活の質が向上しています。
急性心筋梗塞に対する経皮的冠動脈ステント留置術も当院の重要な治療の一つです。心筋梗塞は一刻を争う疾患であり、当院では迅速な対応を心がけ、診断後すぐに治療を開始しています。カテーテルを用いて閉塞した冠動脈を開通させ、ステントを留置することで血流を回復させます。術後は集中治療室での管理を経て、約10日間の入院を通じて慎重に経過観察を行っています。急性期治療だけでなく、再発予防のための生活指導や薬物療法も重視しており、患者様の長期予後の改善に努めています。
高度な徐脈性不整脈に対するペースメーカー移植術も実施しています。主に高齢者に多い疾患で、平均年齢は80代半ばと高齢の患者様が中心です。術前に十分な評価を行い、経静脈的にペースメーカーのリードを心臓に留置し、皮下にペースメーカー本体を埋め込む手術を行っています。術後は約9日間の入院を通じて、ペースメーカーの設定調整と患者様の状態観察を行っています。この治療により、めまいや失神などの症状が改善し、高齢者の方々も安心して日常生活を送れるようになっています。
当院循環器内科の特色は、高齢者に多い循環器疾患に対する豊富な治療経験と、最新のカテーテル治療技術の両方を有していることです。特に不整脈治療においては、カテーテルアブレーション技術を積極的に導入し、薬物治療に頼らない根治的治療を提供しています。また、急性冠症候群に対する緊急カテーテル治療体制も整備し、24時間対応可能な救急医療を提供しています。
患者様の年齢や全身状態に配慮した個別化医療も当院の特徴です。特に高齢者の患者様に対しては、治療のリスクとベネフィットを慎重に評価し、最適な治療法を選択しています。また、治療後の生活指導や再発予防にも力を入れ、患者様が長期にわたって健康を維持できるよう支援しています。
厚生労働省が定めた集計条件により患者数10未満は -(ハイフン)で表示し、DPCコード・DPC名称のみ掲載しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 3 0.09
異なる 18 0.53
180010 敗血症 同一 5 0.15
異なる 62 1.84
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0.00
異なる 6 0.18
180040 手術・処置等の合併症 同一 4 0.12
異なる 0 0.00
当院では、様々な疾患の急性期治療を行う中で、播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、手術・処置等の合併症などの重症病態についても適切な対応を行っています。これらの病態は、原疾患の重症化や合併症として発生することが多く、迅速かつ的確な診断と治療が求められます。
播種性血管内凝固症候群(DIC)は、様々な重症疾患を基礎として発症する凝固異常の病態です。当院でのDIC症例の多くは、入院の契機となった疾患とは異なる病態として発症しています。これは、入院後に原疾患の重症化や合併症として二次的にDICを発症したケースが多いことを示しています。一方、DICを主病態として入院される患者様も少数ながらおられます。当院では、基礎疾患の治療とともに、抗凝固療法などDICに対する専門的治療を迅速に開始し、多臓器不全への進展を防ぐよう努めています。
敗血症は、感染症に対する全身性炎症反応として発症する重篤な病態です。当院での敗血症症例の大部分は、入院後に発症する二次性のものです。肺炎や尿路感染症、腹腔内感染症などが原因となり、入院中に敗血症へと進展するケースが多く見られます。特に高齢者や免疫不全状態の患者様では、比較的軽症の感染症でも敗血症に進展するリスクがあるため、当院では感染症の早期発見と適切な抗菌薬治療、全身管理を徹底しています。
手術・処置等の合併症については、術後創部感染や出血、カテーテル関連感染症などが含まれます。これらは医療行為に伴い一定の確率で発生する可能性があるものですが、当院では発生率を最小限に抑えるための取り組みを行っています。具体的には、手術前の患者様の状態最適化、術中の無菌操作の徹底、術後の適切な創部管理や早期離床の促進などを実施しています。また、合併症が発生した場合には、早期発見と迅速な対応により、重症化を防ぐよう努めています。
当院の特色として、重症疾患に対する多職種連携によるチーム医療の実践が挙げられます。医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士など様々な専門職が協働し、患者様の全身状態を総合的に評価・管理しています。重症患者様に対する高度な集中治療を提供し、救命率の向上と後遺症の軽減に努めています。
また、院内感染対策チームによる定期的な巡回や、抗菌薬適正使用支援チームによる抗菌薬使用の最適化など、感染症対策にも力を入れています。これらの取り組みにより、院内感染の予防と早期対応を実現し、二次的な敗血症の発生リスク低減を図っています。
当院では、治療に伴うリスクについて患者様やご家族に丁寧に説明し、十分なご理解をいただいた上で治療を進めています。また、定期的な院内研修や症例検討会を通じて、医療スタッフの知識と技術の向上にも努めています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
411 380 92.5%
当院では、手術を受ける患者様の安全を最優先に考え、肺血栓塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)の予防に積極的に取り組んでいます。肺血栓塞栓症は、下肢などで形成された血栓が肺の血管に詰まることで発症する重篤な疾患で、適切な予防対策を行うことが非常に重要です。
当院では、手術を受けるすべての患者様に対して、術前にリスク評価を行っています。特に肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上と判断された患者様には、積極的な予防対策を実施しています。具体的には、早期離床の促進、弾性ストッキングの着用、間欠的空気圧迫装置の使用、そして必要に応じた抗凝固薬の投与などを組み合わせた総合的な予防策を講じています。
これらの予防対策は、手術前から計画され、手術中・手術後を通じて継続的に実施されています。特に長時間の手術や、整形外科・婦人科・消化器外科など血栓形成リスクの高い手術を受ける患者様には、より慎重な対応を行っています。
当院の肺血栓塞栓症予防対策の実施率は非常に高く、リスクレベルが「中」以上の手術を受けた患者様のほとんどに予防対策が実施されています。これは、院内の多職種チームによる連携と、標準化されたプロトコルの徹底によるものです。
また、予防対策だけでなく、早期発見・早期対応のための体制も整えています。手術後の患者様に対しては、看護師による定期的な観察と、異常の早期発見に努めています。万が一、肺血栓塞栓症を疑う症状が現れた場合には、迅速な診断と治療を行える体制を整えています。
さらに、患者様自身にも肺血栓塞栓症の予防の重要性をご理解いただくため、術前の説明時に予防対策の意義や必要性について丁寧に説明しています。特に、早期離床の重要性や、水分摂取の励行、長時間同じ姿勢を避けることなど、患者様ご自身で実践できる予防法についても指導しています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
652 461 70.7%
当院では、感染症診療の質向上を目指し、血液培養検査の適切な実施に力を入れています。特に血液培養の2セット採取は、感染症の正確な診断と適切な治療選択に欠かせない重要な検査法として積極的に推進しています。
血液培養検査は、血液中に存在する細菌や真菌などの微生物を検出するための検査で、敗血症をはじめとする重篤な感染症の原因菌を特定するために極めて重要です。当院では、血液培養を実施する際には原則として2セット以上の採取を行うよう標準化しています。
2セット採取の重要性は複数あります。まず、皮膚の常在菌による汚染(コンタミネーション)と真の菌血症を区別することが可能となります。1セットのみの採取では、検出された菌が真の起因菌なのか、採血時の皮膚常在菌の混入なのかを判断することが困難ですが、2セット以上採取することで、両方のセットから同じ菌が検出されれば真の菌血症である可能性が高まります。
また、血液中の細菌数は非常に少ないことが多く、採取する血液量を増やすことで検出感度が向上します。2セット採取により総採血量が増加し、原因菌を検出できる確率が高まります。特に抗菌薬投与前の血液培養は、治療効果を最大化するために極めて重要です。
当院の血液培養2セット実施率は高い水準を維持しており、多くの日において複数セットの採取が実施されています。これは医師、看護師、臨床検査技師など多職種の協力と、院内感染対策チームによる継続的な教育・啓発活動の成果と考えています。
当院では、血液培養の適切なタイミングや採取方法についての研修を定期的に実施しています。
さらに、採取された血液培養の結果は迅速に主治医に報告され、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)によるコンサルテーションも活用されています。陽性となった血液培養の結果に基づき、抗菌薬の選択や投与期間の最適化を図り、耐性菌の発生防止と患者様の治療成績向上に努めています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
602 334 55.5%
当院では、抗菌薬の適正使用を推進し、耐性菌の発生を防止するための様々な取り組みを行っています。特に広域スペクトル抗菌薬の使用に関しては、適切な診断と治療を提供するために細菌培養検査を重視しています。
広域スペクトル抗菌薬とは、メロペネムやタゾバクタム/ピペラシリンなど、様々な種類の細菌に対して効果を示す強力な抗菌薬です。これらの薬剤は重症感染症の治療に非常に有効ですが、不適切な使用は耐性菌の出現リスクを高めるため、使用にあたっては慎重な判断が求められます。
当院では、広域スペクトル抗菌薬を使用する際には、原則として事前に細菌培養検査を実施するよう努めています。この検査により、感染症の原因菌を特定し、その感受性に基づいた最適な抗菌薬を選択することが可能となります。また、培養結果に応じて、より狭い抗菌スペクトルの薬剤へのde-escalation(段階的縮小)を積極的に行っています。
当院の広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率は、まだ改善の余地がありますが、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)を中心に、継続的な向上に取り組んでいます。特に緊急性の高い重症感染症では、治療の遅れが生命予後に影響するため、抗菌薬投与と並行して培養検査を実施するよう院内教育を強化しています。
抗菌薬適正使用の推進にあたり、当院では以下のような取り組みを行っています:
まず、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)を設置し、広域スペクトル抗菌薬の使用状況を定期的にモニタリングしています。特に長期使用例や複数の広域抗菌薬併用例については、チームによる介入を行い、適正使用を促進しています。
さらに、院内の医師や看護師を対象とした定期的な研修会を開催し、抗菌薬適正使用の重要性や具体的な使用方法について教育を行っています。特に研修医に対しては、感染症診療の基本と抗菌薬選択の考え方について重点的に指導しています。
当院では、感染症診療の質向上のため、細菌検査室の機能強化にも取り組んでいます。迅速診断法の導入や、薬剤感受性試験の結果報告の迅速化により、適切な抗菌薬選択をサポートしています。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
52379 232 4.43‰
当院では、患者様の安全を最優先事項と位置づけ、特に入院中の転倒・転落事故の予防に力を入れています。転倒・転落は、特に高齢者において骨折や頭部外傷などの重篤な結果を招くことがあり、患者様の回復の妨げとなるだけでなく、入院期間の延長や生活の質の低下をもたらす可能性があります。
当院の転倒・転落発生率は1,000患者日あたり4.43‰(パーミル)となっています。‰(パーミル)とは1,000分の1を表す単位で、この場合、患者様が入院されている1,000日あたり約4.43件の転倒・転落が発生していることを意味します。これは全国の同規模病院の平均値(約6~8‰)と比較して低い水準を維持しており、当院の転倒・転落予防への継続的な取り組みが成果を上げていると考えています。
当院が特に力を入れている転倒・転落予防への取り組みには、以下のようなものがあります:
まず、入院時に全ての患者様に対して、独自の転倒リスクアセスメントツールを用いた評価を実施しています。このツールは、年齢、既往歴、服薬状況、認知機能、移動能力などの要因を総合的に評価し、患者様個々のリスクレベルを判定するものです。リスクが高いと判定された患者様には、ベッドの高さ調整、センサーマットの使用、頻回の見守りなど、個別の予防策を実施しています。
環境整備にも力を入れており、特に夜間のトイレ移動時の転倒が多いことから、夜間照明の工夫や、ナースコールの使用促進などの対策を講じています。また、導入した低床ベッドや衝撃吸収マットは、転倒時の重篤な傷害予防に効果を上げています。
患者様とご家族への教育・啓発活動も積極的に行っています。入院時のオリエンテーションでは、転倒予防の重要性や具体的な注意点をわかりやすく説明し、患者様自身にも予防意識を持っていただくよう働きかけています。また、リハビリテーション部門と連携し、安全な移動方法や適切な補助具の使用法などを指導しています。退院後の生活を見据えた環境調整のアドバイスも行っており、この包括的なアプローチは他院と比較しても先進的です。
当院では、これらの取り組みを継続的に評価・改善しながら、さらなる転倒・転落事故の減少を目指しています。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
52379 22 0.42‰
当院では、患者様の安全を最優先事項と位置づけ、特に入院中の転倒・転落事故の予防と対策に全力で取り組んでいます。特に治療や処置を要する重篤な転倒・転落(インシデント影響度分類レベル3b以上)の予防に注力し、患者様が安心して療養できる環境づくりに努めています。

当院の転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率は1,000患者日あたり0.42‰(パーミル)となっています。‰(パーミル)とは1,000分の1を表す単位で、この場合、患者様が入院されている1,000日あたり約0.42件の治療を要する転倒・転落が発生していることを意味します。言い換えると、入院患者様が約2,380日過ごされる間に1件の重篤な転倒・転落が発生する計算になります。
この数値は、全国の同規模病院の平均値(約1.0~1.5‰)と比較して著しく低い水準を維持しており、当院の転倒・転落予防への継続的かつ徹底した取り組みが大きな成果を上げていると自負しています。特に近年は、高齢患者様や認知症を有する患者様の増加に伴い、転倒リスクが高まる傾向がある中で、この低い発生率を達成できていることは、医療スタッフの献身的な努力の成果と言えるでしょう。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
444 442 99.5%
当院では、手術における感染予防対策を最重要課題の一つと位置づけ、特に予防的抗菌薬の適正使用に力を入れています。手術部位感染(SSI)は患者様の回復を遅らせるだけでなく、入院期間の延長や追加治療による負担増加をもたらすため、その予防は医療の質向上において非常に重要です。
当院が特に力を入れている取り組みとして、手術開始前の適切なタイミングでの予防的抗菌薬投与があります。手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬を投与することで、手術中の細菌感染リスクを最小限に抑えることができます。この取り組みにおいて、当院では全身麻酔手術のほぼ全例で適切なタイミングでの抗菌薬投与を実現しています。
この成果を達成するために、当院では以下のような取り組みを実施しています:
まず、抗菌薬適正使用チームを設置し、医師、看護師、薬剤師が連携して、抗菌薬の選択や投与タイミングの標準化を図っています。このチームは定期的に会議を開催し、最新のガイドラインに基づいた院内プロトコルの更新と周知を行っています。
教育面では、研修医に対する周術期感染予防の研修プログラムを充実させ、予防的抗菌薬の重要性と適切な使用法について徹底した指導を行っています。また、全スタッフを対象とした定期的な勉強会も開催し、知識の更新と意識向上を図っています。
他の医療機関と比較して、当院の予防的抗菌薬投与の適正実施率は非常に高い水準を維持しています。全国平均が約90%とされる中、当院ではほぼ100%に近い実施率を達成しています。これは、システム化された取り組みと、スタッフ一人ひとりの高い意識によるものです。

また、当院では単に投与タイミングだけでなく、抗菌薬の種類や投与期間についても最適化を図っています。多くの病院では術後も長期間にわたって抗菌薬を継続することがありますが、当院では科学的根拠に基づき、必要最小限の投与期間に留めることで、耐性菌の発生リスク低減にも貢献しています。

さらに、手術部位感染サーベイランスを継続的に実施し、感染率の推移や原因菌の動向を監視しています。このデータは定期的に分析され、予防策の改善に活かされています。この包括的なアプローチにより、当院の手術部位感染率は全国平均と比較して低い水準を維持しています。

今後も当院では、予防的抗菌薬の適正使用をはじめとする周術期感染対策の質向上に努め、患者様が安心して手術を受けられる環境づくりに全力で取り組んでまいります
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
49578 56 0.11%
当院では、患者様の安全と快適な療養環境の提供を目指し、特に褥瘡(床ずれ)予防に力を入れています。褥瘡は患者様のQOL(生活の質)を著しく低下させるだけでなく、治療の長期化や合併症のリスク増加につながる重要な問題です。そのため、当院では褥瘡予防を医療の質の重要な指標と位置づけ、多職種による専門的なケアと予防活動に取り組んでいます。
当院が特に力を入れている褥瘡予防への取り組みとして、以下のような活動を実施しています:
まず、入院されたすべての患者様に対して、入院時に専門的な褥瘡リスクアセスメントを実施しています。当院独自に改良したブレーデンスケールを用いて、栄養状態、皮膚の湿潤度、活動性、可動性などを総合的に評価し、患者様個々のリスクレベルに応じた予防ケアプランを立案しています。
また、「褥瘡対策チーム」を設置し、医師、看護師、管理栄養士、理学療法士、薬剤師などの多職種が連携して、ハイリスク患者様の定期的な回診と評価を行っています。
褥瘡予防用具の積極的導入です。体圧分散マットレスや体位変換クッション、スキンケア製品など、科学的根拠に基づいた製品を十分に備え、患者様の状態に合わせて適切に使用しています。また、看護師による2時間ごとの定期的な体位変換と皮膚観察も徹底しています。
栄養面からのアプローチも当院の特色です。褥瘡予防には適切な栄養状態の維持が不可欠であるという認識のもと、管理栄養士による個別の栄養評価と介入を積極的に行っています。特にタンパク質やビタミン、微量元素などの摂取に注目した栄養サポートを実施し、皮膚の健康維持と褥瘡予防に努めています。
教育面では、看護スタッフを対象とした褥瘡予防研修を実施し、最新の知識と技術の習得を促進しています。また、新人看護師には特別なプログラムを用意し、褥瘡予防の基本から実践的なケア技術まで、段階的に学ぶ機会を提供しています。
他の医療機関と比較して、当院の真皮までの損傷(d2)以上の褥瘡発生率は非常に低い水準を維持しています。全国平均が0.2~0.3%程度とされる中、当院では0.11%という優れた実績を達成しています。
当院では褥瘡が発生した場合の早期発見・早期対応にも力を入れており、軽度の段階で適切な処置を行うことで重症化を防いでいます。これにより、深い褥瘡(d3・d4)の発生率は全国平均の半分以下に抑えられています。
さらに、退院支援においても褥瘡予防に関する指導を重視し、ご家族などと連携して、退院後も継続的なケアが行われるよう支援しています。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
2432 1376 56.6%
当院では、高齢患者様の入院治療において、栄養状態が治療効果や回復速度に大きく影響することを重視し、入院早期からの栄養アセスメントと適切な栄養管理に力を入れています。特に65歳以上の患者様に対しては、入院時から多職種による包括的な栄養評価を実施し、個々の状態に応じた栄養サポートを提供しています。
当院が特に力を入れている高齢者栄養管理への取り組みには、以下のようなものがあります:
まず、入院された65歳以上の患者様に対して、専門的な栄養スクリーニングツールを用いた評価を実施しています。このスクリーニングでは、体重変化、食事摂取量、基礎疾患、身体機能、認知機能など多角的な視点から栄養状態を評価し、低栄養リスクの早期発見に努めています。
また、「栄養サポートチーム(NST)」を中心に、医師、管理栄養士、看護師、薬剤師、言語聴覚士などが連携して、栄養状態に問題がある患者様の定期的な回診と評価を行っています。栄養介入の効果確認と必要に応じた栄養計画の見直しを行っています。特に高齢者に多い嚥下障害や食欲不振に対しては、専門的な評価と対策を講じています。
当院の特色として、入院早期から退院後の生活を見据えた栄養指導を実施している点が挙げられます。管理栄養士による個別栄養指導では、患者様やご家族の生活背景や食習慣を考慮した実践的なアドバイスを提供し、退院後も適切な栄養状態を維持できるよう支援しています。また、必要に応じて退院後の訪問栄養指導も行い、切れ目のない栄養サポートを実現しています。
他の医療機関と比較して、当院の65歳以上の患者様への入院早期栄養アセスメント実施率は着実に向上しています。全国平均が約40~50%とされる中、当院では約57%の実施率を達成しており、高齢患者様の栄養管理に対する意識の高さを示しています。
さらに、当院では栄養アセスメントの結果を電子カルテに統合し、多職種で情報共有できるシステムを構築しています。これにより、リハビリテーション計画や薬物療法にも栄養状態の情報が活かされ、より効果的な治療につながっています。
今後も当院では、高齢者栄養管理のさらなる充実を目指し、栄養アセスメント実施率の向上と質の改善に取り組んでまいります。特に、入院早期からの適切な栄養介入による在院日数の短縮や合併症の予防、ADL(日常生活動作)の維持・向上を目標に、エビデンスに基づいた栄養管理を推進してまいります。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
52379 11568 22.1%
当院では、患者様の尊厳と権利を最大限に尊重した医療を提供するため、身体的拘束の最小化に向けた様々な取り組みを積極的に推進しています。身体的拘束は患者様の自由を制限するだけでなく、身体機能の低下や精神的苦痛をもたらす可能性があるため、その実施については常に慎重な判断と代替手段の模索を心がけています。
当院が特に力を入れている身体的拘束最小化への取り組みには、以下のようなものがあります:
まず、医師、看護師、理学療法士、作業療法士などの多職種が連携して、身体拘束の適正化と代替手段の検討を行っています。この委員会では月1回の定例会議を開催し、拘束実施状況の評価と改善策の検討を行うとともに、個々のケースについて多角的な視点からカンファレンスを実施しています。
また、身体的拘束が必要となる状況を減らすための予防的アプローチにも力を入れています。具体的には、せん妄予防プロトコルの導入、早期離床の促進、環境調整(見守りセンサーの活用、病室配置の工夫など)、コミュニケーション技術の向上などを通じて、拘束に至る前の段階での介入を強化しています。
教育面では、全スタッフを対象とした「身体拘束最小化研修」を実施し、身体拘束の弊害や代替手段、法的・倫理的側面についての理解を深める機会を提供しています。また、新人スタッフには特別なプログラムを用意し、患者様の安全確保と尊厳保持のバランスについて学ぶ機会を設けています。
他の医療機関と比較して、当院の身体的拘束実施率は決して低いとは言えない状況ですが、これは当院が急性期医療を担う中核病院として、重症患者様や緊急処置を要する患者様を多く受け入れていることも一因と考えられます。しかし、当院では拘束実施率の数値だけでなく、拘束の質(必要性の厳格な評価、最小限の範囲と期間、適切な代替手段の検討など)にも注目し、継続的な改善に取り組んでいます。
特に、他院と比較して当院が優れている点は、身体拘束を実施する場合の厳格なプロセス管理です。拘束の開始には医師の指示と詳細なアセスメントを必須とし、24時間ごとの再評価を徹底しています。また、家族への説明と同意取得も丁寧に行い、拘束中の観察とケアの頻度も高く設定しています。これらの取り組みにより、必要最小限の拘束に留めるよう努めています。
当院では、身体拘束の最小化は単に数値目標ではなく、患者様中心の医療を実践するための重要な理念と位置づけています。今後も継続的な改善活動を通じて、患者様の安全と尊厳のバランスを最適化し、より人間的で質の高い医療の提供を目指してまいります。
更新履歴
2025.9.19
令和6年度 病院指標公開